企業から「システム障害が発生しました」という発表があったあと、数日後にランサムウェアやハッカー集団による犯行声明が出るケースが増えています。
近年では、金融機関、通信事業者、流通業、食品メーカーなど、業種を問わずサイバー攻撃による業務停止が発生しています。
もちろん、すべてのシステム障害がサイバー攻撃とは限りません。しかし、初期段階では原因が特定できないケースも多く、企業は慎重な対応が求められます。
本記事では、システム障害が公表された際に企業担当者が確認すべきポイントを解説します。
なぜ「システム障害」と発表されることが多いのか
障害発生直後は、原因が判明していないことが一般的です。
原因として考えられるものには、
- サーバー故障
- ソフトウェアの不具合
- クラウドサービス障害
- ネットワーク障害
- 操作ミス
- 不正アクセス
- ランサムウェア感染
など、さまざまな可能性があります。
十分な調査を行わないまま「サイバー攻撃」と断定すると、誤った情報を発信するリスクがあるため、多くの企業はまず「システム障害」と表現します。
確認すべきポイント① 障害範囲はどこまで広がっているか
まず確認すべきなのは影響範囲です。
例えば、
- Webサイトのみ
- 会員サービス
- スマートフォンアプリ
- 決済システム
- 社内システム
- メールシステム
など、どこまで影響しているかによって深刻度は大きく変わります。
確認すべきポイント② 情報漏えいの可能性はあるか
サービス停止だけでなく、
- 顧客情報
- 認証情報
- 決済情報
- 社内情報
などが外部へ流出した可能性があるかも重要です。
「調査中」と発表されている場合でも、その後の続報を継続して確認する必要があります。
確認すべきポイント③ 不正アクセスの形跡はあるか
サイバー攻撃では、
- 不審なログイン
- 権限昇格
- 管理者アカウントの悪用
- 外部との不審な通信
などが確認されることがあります。
企業はフォレンジック調査を通じて侵入経路や攻撃手法を特定し、再発防止策へつなげることが重要です。
確認すべきポイント④ 復旧だけでなく再発防止策が示されているか
サービスが復旧したことだけで安心してはいけません。
重要なのは、
- 原因
- 再発防止策
- 監視体制
- セキュリティ強化
まで説明されているかです。
利用者や取引先に対する説明責任も企業の重要な役割です。
確認すべきポイント⑤ 自社でも同じことが起きないか
最も重要なのは、「他社の事故」で終わらせないことです。
次のような点を確認してみましょう。
- MFA(多要素認証)は導入されているか
- 管理者アカウントは適切に管理されているか
- バックアップは取得・復元確認されているか
- インシデント対応手順は整備されているか
- 不正アクセスを早期検知できる体制があるか
今回被害を受けた企業と同じ業界でなくても、攻撃手法は他企業にも応用される可能性があります。
モバイル不正対策ラボの見解
最近のインシデントでは、業種を問わずサイバー攻撃が発生しており、「自社は狙われない」という考え方は通用しなくなっています。
また、障害発生直後は原因が特定できないため、「システム障害」と発表されるケースも少なくありません。
企業に求められるのは、障害の復旧だけではなく、
- 原因究明
- 情報漏えい調査
- 利用者への適切な情報公開
- 再発防止策の実施
まで含めたインシデント対応です。
他社の事例を自社のセキュリティ対策を見直す機会と捉えることが、サイバー攻撃への備えにつながります。
まとめ
システム障害という発表だけでは、原因がサイバー攻撃なのか、機器障害なのかは判断できません。
だからこそ企業担当者は、
- 影響範囲
- 情報漏えいの有無
- 不正アクセスの可能性
- 再発防止策
- 自社への影響
という5つの視点で状況を整理することが重要です。
近年はランサムウェアや不正アクセスによる大規模障害が増加しています。今回の事例も「他社の問題」と考えるのではなく、自社の備えを見直すきっかけとして活用することをおすすめします。